3次元CADの機能でマルチボディを扱う場合に、ブーリアン演算を行う場合がある。
代表的な機能には、関連性のあるボディを1つにする(和)、重なっている部分を除去する(差)、共通部分のみを残す(積)、などがある。
『組み合わせ』
ソリッドワークスでは、『組み合わせ』というコマンドがその機能に当たる。
コマンドマネージャーのデフォルトでは非表示になっている『直接編集』タブにアイコンが配置されています。
操作タイプには、加算(ブーリアン→和)、除去(ブーリアン→差)、共通部(ブーリアン→積)があるが、除去のコマンドでの場合、対象のボディは削除されてしまいます。
ちなみに『直接編集』タブは、マルチボディを扱う場合や他CADからのインポートした部品を編集するときに使うコマンドが多く集まられています。
『インデント』
ブーリアンの作業で対象のボディを残したい場合は、『インデント』コマンドを代用して使います。
『インデント』コマンドは、部品などの梱包部材を設計するときに活用するコマンドで、シェル化された部品などに、重なった部分を除去し、なおかつできた壁に厚みを付けたり、対象ボディに対してすき間もつけることができ、対象のボディは『組み合わせ』コマンドとは違い残ります。
単純にブーリアンの差の作業で部品を残したいときは、「カット」オプションをONにすると、対象ボディが残るようになります。
アイコンの位置は、コマンドマネージャーに準備されていないため、
メニューバーより、挿入→フィーチャー→インデントという流れでコマンドにアクセスします。
(よく使う場合は、コマンドマネージャーをカスタマイズします。)
『交差』
左図のようなマルチボディから右図のように、四角のボディの外枠と中心部は除去して、1つのボディにしたい時があります。
コマンド数を減らす場合に活用するのが『交差』コマンドになります。
コマンドマネージャーの『フィーチャー』タブにあります。
『交差』コマンドは、金型でキャビ・コアで出来上がる空間部(製品部)をボディ化したり、容器の水面などを平面で決めて容積部をボディ化したりして、体積を計測したりするためのコマンドになります(内部領域を作成)
このコマンドで、『交差する領域を作成』オプションを使うと、さらにオプションで除去する箇所を選択できるようになるので、上の図のように除去と加算を1つのコマンドで実行することができます。
『交差』コマンドは、ソリッドワークスでよく使うフィーチャータブにデフォルトで配置しているということは、頻繁に活用すると考えて配置されているコマンドだと思われますが、意外と使わないコマンドです。
モデリングの題材によく使われるコーヒーカップや少し難しめのプラスチックハンガーなどをモデリングするときには、『交差』コマンドを活用してみてもよいかと思われます。