ソリッドワークスで部品作成をするときに使用するスケッチには、幾何拘束を追加する作業を行う。
幾何拘束を過不足なく付加することにより、シンプルな寸法入れや後々の設計変更などでの作業の簡略化につながるため重要な作業となる。
代表的な幾何拘束
点=原点・端点・中点・中心点・点要素などの総称
要素=直線・円・円弧・楕円・スプラインなどの総称
幾何拘束 | 名称 | 選択する要素(例) |
---|---|---|
![]() | 一致 | 原点と端点 点と要素 |
![]() | マージ (端点同士を共有化) | 端点と端点 (拘束マークは付加されない) |
![]() | 中点 | 点と開いた要素 |
![]() | 交点 | 二つの要素と点 |
![]() | 水平 (座標系の横軸) | 1つ以上の直線 2つ以上の点 |
![]() | 鉛直 (座標系の縦軸) | 1つ以上の直線 2つ以上の点 |
![]() | 平行 (2つの直線が0度) | 2つ以上の直線 |
![]() | 垂直 (2つの直線が90度) | 2つの直線 |
![]() | 同心円 | 2つ以上の円(円弧) 円(円弧)と点 |
![]() | 正接 | 円(円弧)と要素 |
![]() | 等しい値 | 2つ以上の直線→長さが等しい 2つ以上の円(円弧)→直径(半径)サイズが等しい |
![]() | 同一線上 | 2つ以上の直線 (トリムコマンドで自動付加) |
![]() | 同一円弧 | 2つ以上の円弧 (トリムコマンドで自動付加) |
![]() | 対称 | 1つの中心線と2つの直線 1つの中心線と2つの円(円弧) |
![]() | 固定 | 複数の要素 (DXFデータなどを取り込んだ場合に全要素を固定) |
1要素だけを選択するときは、マウスカーソルを要素上にあわせて認識色(オレンジ色)になったら、(左)クリックします。
複数要素を選択するときは、2個目の要素からキーボードの「Ctrl」キーを押しながらクリックしていきます。
マウスを要素を囲むようドラッグしながらに動かすと囲まれた複数要素が選択されます。

左から右方向にドラッグすることによってボックス選択機能になり、水色の四角に完全に囲まれた要素のみ選択になります。
(図では、上の水平線のみ選択されます)

右から左方向にドラッグすることによってクロス選択機能になり、水色の四角の境界線に重なる部分も含めて囲まれた要素が選択になります。
(図では、鉛直線2本と中心線1本が選択されます)
ボックス選択やクロス選択をするときは特にですが、幾何拘束の作業は寸法を入れる前に行います。
参考
幾何拘束を付ける作業は、意外と手間がかかります。
作業するときは、作業内容を一度文章化するとわかりやすくなります。
例えば
- 正方形を作図したいときに、正方形を作ると考えるのではなく、
少し具体的に、4つの直線の長さが等しい長さ - 中心線と二つの円は対称関係
- いくつかの円は横に同じ大きさ(等しい値)で横(水平)に並んでいる
→円を選択して等しい値
→円では水平拘束はかけられないでの、円の中心点で水平拘束
という形で、具体的な言葉で文章化することがコツになります。
水平拘束、スケッチがアクティブな状態で「選択アイテムに垂直」をしたときに、画面に対して横方向になる場合を「水平」と呼びます。鉛直拘束も同様で、画面に対して縦方向が「鉛直」となります。
水平と平行や鉛直と垂直は、混同しやすい言葉になりますが、
平行と垂直は、角度を表す言葉で、「2つの直線が0度(180度)」=水平・「2つの直線が90度」=垂直となります。