マスターキャムでエンドミルのサイズ等を設定する場合は、個別にパラメータを入力していく形になるが、工具メーカーごとに同じサイズでも有効長が違っていたり、全長が違っていたりするので、カタログやホームページから必要寸法を調べて入力をする。
工具メーカーによっては、CADデータを準備している会社もあるので、そのデータをインポートして工具を設定する方法も準備されています。
JBM製のアドイン(C-Hook)機能を使える環境であれば、iToolsというアドインを使うことによって、簡単にエンドミルのサイズを調整することができます。
iToolsのインターフェイス
詳細表示の設定

iToolsを起動し、工具などの列を右クリックすると「詳細表示の設定」ダイアログボックスが表示されるので、必要パラメータにチェックを入れ、リストごとにセル幅を入力することでカスタマイズが可能になります。
また、順番の並び替えも可能なので、見やすいように並べ替えをします。
意味が不明な表現もあるので、ON/OFFなどをしながら確かめてください。
ちなみにシャンクテーパ径は、シャンク径のことをさします。
コンフィグ設定
コンフィグ設定アイコンをクリックすると工具形状・データ取得・URL設定などをカスタマイズできます。

データ取得の変更画面では、データ取得最大件数を設定できます。
また、工具名に追記する形式をカスタマイズすることができます。
ここで設定した名称は、マスターキャムのほうでも工具名としてインポートされます。
工具の型番は、自動で決定されるので、それ以降に必要な項目を設定します。
@から@までの内容は、エンドミルのサイズから自動取得させる項目になります。
図の設定では、フラットエンドミル・ボールエンドミル・ラジアスエンドミルなどを網羅できるように、工具直径(@dDia@)に続いて、()でコーナーR(@dCrad@)を表示させ、有効長(@dSholderLength@)も表示させる設定にしています。

そのほかの変数値は、?アイコンをクリックすることで確認できます。
必要に応じて@~@を込みで入力します。
工具検索
工具検索アイコンをクリックし、標準検索と条件検索の2種類の検索方法を使ってほしいエンドミルを検索します。
条件検索

使用するエンドミルのシリーズ名(例:日進工具もロングネックラジアスエンドミル=MHR230R)が決まっている場合に使用します。
検索ワードには、基本的にシリーズ名を入力します。
シリーズ名以外も検索できるようになっていますが、検索できるワードの対象が少ないので、基本シリーズ名のみワードが対象と考えていいかもしれません。

検索フィルタは、最大4種類の設定で絞り込みができます。
工具タイプや工具材質などで絞り込みが可能です。
シリーズ名が確定している場合は、工具寸法で絞り込みをしていきます。

工具寸法では、さらに工具径・コーナR・有効長で絞りこみができます。
- 工具径:外径(D)
- コーナーR:工具R(R)
- 有効長:首下長(L1)
数値入力する場合は、イコール(=).以上(>=).以下(<=).範囲指定(~)を使って指示します。
絞り込み条件を設定したら検索ボタンをクリックします。
コンフィグ設定で設定したデータ取得最大件数より多い検索数の場合は、検索をやめるか続行するかを選ぶダイアログボックスが表示されます。
標準検索
シリーズ名が確定していない場合やメーカーを特定していない場合などの時には、標準検索を使います。
標準検索は、絞り込み項目が多いのが特徴です。


タイプ・メーカー・寸法などの項目を順次設定をし、絞り込み条件を設定したら検索ボタンをクリックします。
コンフィグ設定で設定したデータ取得最大件数より多い検索数の場合は、検索をやめるか続行するかを選ぶダイアログボックスが表示されます。
マスターキャムへ工具を取り込む

条件設定から絞り込んだ一覧が表示されます。
使用したい工具をダブルクリックすると加工条件を選択することができます。

工具メーカー推奨の主軸回転数Sや送り速度Fを使用する場合は、条件のリストから加工する条件に近い被削材を選択し、OKボタンをクリックすることによって加工条件をインポートします。
別な条件を設定する場合は、回転数と送り速度の設定は省略しても問題ありません。
取り込みたい工具に☑チェックマークを付けて、取り込むボタンをクリックすることでマスターキャムに工具が取り込まれます。
取り込んだエンドミルは、工具番号や加工条件の未設定箇所などをマスターキャムのほうで従来の工具同様に修正します。
補足
iToolsの機能は、すべてのエンドミルを網羅しているわけではありません。
また、データベース自体も必ずしも工具メーカーの最新情報と同じということもありませんので、形状や条件などに差異がある場合もあります。
特にシャンク部での干渉回避を計算させたツールパスを作成する場合には、エンドミルの形状をカタログなどで再確認することをお勧めします。