ボールエンドミルの中には、アンダーカット部にも刃を付けた工具もあり、マスターキャムではロリポップミルという名称になる。加工範囲が280度くらいあり、アンダーカット部のバリ取り加工に用いることができる。
この工具の名称は、国内では一般的でなく、裏面取りや裏バリカッターなどの名称がついている。
バリ取りコマンド
バージョン2019より複合軸コマンドに「バリ取り」コマンドが追加されました。4軸や5軸加工用のコマンドですが、設定の中に3軸に固定するオプションがあり、通常のマシニングセンタでも対応できるNCデータを出力可能になっている。
さらにバージョン2025からは、「3軸バリ取り」コマンドが使えるようになりました。
同様に2019から追加されたコマンドに「モデル面取り」コマンドがあるが、通常の45度面取り工具で輪郭加工をする前提のコマンドで、複雑な輪郭やアンダーカット部の加工は、「3軸バリ取り」や「バリ取り」コマンドで対応する。
設定例

右図のように、横穴と縦穴の交わる交線のバリ取り加工を作成する。
加工範囲

加工するエッジと工具移動範囲を制限するためのモデルを選択する。
面取り深さの設定は、面取りの幅か面取り深さを設定する。バリ取り前提であれば、「0」で設定する。


加工タイプを3軸に設定することで、付加軸なしのNCデータになる。
首下のクリアランスを調整することで、安全に領域を増加させることも可能。
作成したカッターパスの経路

ロリポップミルのメリット

バリ取り加工にロリポップミルを活用すると通常のバリ取りからアンダーカットまでを対応できるので、無理をすれば側面エッジの加工も対応可能となる。
また、工具の全面を活用した加工ができるので、未使用領域が少なくすることができる。
参考
ロリポップミルの取り扱いしている代表的なメーカー
- OSG「面取り用超硬Qボールエンドミル HY-QCC」(PDFカタログが開きます)
- ジーベックテクノロジー「XEBEC裏バリカッター」