ものづくりの現場では必ず、寸法に対して誤差が許される範囲「公差」が必要になります。機械加工製品などの目標寸法に対して、製造時に許容できる最大値と最小値の差ですが、そもそもなぜ公差を設定する必要があるのか、きちんと理解しておくことが大切です。
ものづくりのノウハウが詰まっている「公差」~3次元で考える公差解析~
製造現場で実際に部品や製品を切り出したり、穴あけをしたりすると必ず物理的なズレが生じます。もちろん、ズレが少なければいいに越したことはありませんが、厳密に仕上げようとすると膨大な手間とコストがかかります。
どの程度まで基準寸法に近づけるのか、どの程度の精度まで追求するのかを考え、適切な公差を設定することが重要です。この公差の設定は製造技術の大切な要素の一つであり、企業独自のものづくりのノウハウが詰まっているといえます。
製造現場に3次元CAD/CAMが導入されるようになった今、公差解析も進化し、3次元で考えることも必要になってきました。
JISにおける公差の規格
日本産業規格JIS(旧=日本工業規格)には、図面の表記方法や材料の物性規格など様々な企画があります。
その中には、もちろん公差に関する企画もあります。
JISの規格は、ISOの規格と準拠させつつ数年おきに改定が進められており、高校生の時に習った内容に廃止されている内容があったり、表現方法が変更になっている内容もあります。
わかりやすいところでいえば、ながらくJISを日本工業規格と呼んでいたが、2019年7月から日本産業規格という表記に変更になっています。
3Dの分野でもながらく3D図面に関して、自動車産業と3DCADベンダーなどを中心に開発検討されてきましたが、JISによる規格が2017年に制定されています。
- JIS B 0060-3「デジタル製品技術文書情報-第3部:3DAモデルにおける設計モデルの表し方」
- JIS B 0060-4「デジタル製品技術文書情報-第4部:3DAモデルにおける表示要求事項の指示方法-寸法及び公差」
- JIS B 0060-5「デジタル製品技術文書情報-第5部:3DAモデルにおける幾何公差の指示方法」
- JIS B 0060-6「デジタル製品技術文書情報-第6部:3DAモデルにおける溶接の指示方法」
- JIS B 0060-7「デジタル製品技術文書情報-第7部:3DAモデルにおける表面性状の指示方法」
などです。ほとんどの内容は、製図に関する規格内容を把握していれば理解するのに苦労はない内容になっています。
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具体的に行っているのが、CADトレース、紙図面もしくは2次元データからモデル・組立データの作成、3次元データから図面データの作成などです。受け入れデータ形式は、2次元データ、3次元データともに可能です。
また、加工用にデータの修正にも対応し、公差を見込んだモデルへの変更も承っています。
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